大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

岐阜地方裁判所 昭和60年(わ)161号 判決 1985年7月03日

本店所在地

岐阜県土岐市駄知町三五〇番地の一

株式会社カクショウ

(右代表者代表取締役 正村正司)

本籍

岐阜県土岐市駄知町六九七番地

住居

同右

会社役員

正村正司

昭和九年九月七日生

右両名に対する各法人税法違反被告事件につき、当裁判所は検察官松浦由記夫出席のうえ審理し、次のとおり判決する。

主文

被告人株式会社カクショウを罰金一五〇〇万円に、被告人正村正司を懲役一〇月に処する。

被告人正村正司に対し、この裁判確定の日から三年間右刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人株式会社カクショウは、岐阜県土岐市駄知町三五〇番地の一に本店を置き、陶磁器の製造・販売等を目的とする資本金一、一〇〇万円の会社であり、被告人正村正司は、被告人会社の代表取締役としてその業務全般を統括しているものであるが、被告人正村正司は、被告人会社の業務に関し、在庫の一部を除外するなどの方法により所得の一部を秘匿して、法人税を免れようと企て、

第一  被告人会社の昭和五七年一月一日から同年一二月三一日までの事業年度において、実際所得金額が一億八、九五五万五、一三八円でこれに対する法人税額が七、七四〇万三、一〇〇円であるのに、右所得金額中一億一、三六八万二、三八九円を秘匿した上、昭和五八年二月二八日、岐阜県多治見市音羽町一丁目三五番地所在多治見税務署において、同税務署長に対し、所得金額が七、五八七万二、七四九円でこれに対する法人税額が二、九六五万六、二〇〇円である旨の虚偽過少の法人税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により、前記正当税額との差額四、七七四万六、九〇〇円の法人税を免れ

第二  被告人会社の昭和五八年一月一日から同年一二月三一日までの事業年度において、実際所得金額が二億一、七四四万六、〇三二円でこれに対する法人税額が八、九一五万六、五〇〇円であるのに、右所得金額中七、二〇〇万四、三〇九円を秘匿した上、昭和五九年二月二九日、前記多治見税務署において、同税務署長に対し、所得金額が一億四、五四四万一、七二三円でこれに対する法人税額が五、八九一万四、四〇〇円である旨の虚偽過少の法人税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により、前記正当税額との差額三、〇二四万二、一〇〇円の法人税を免れ

たものである。

(証拠の標目)

判示各事実について、被告人正村正司(被告人株式会社カクショウ代表者)の当公判廷における供述のほか、記録中の証拠等関係カード(検察官請求分)に記載されている次の番号の各証拠

判示各事実について 1ないし3、5、9、10、20ないし22、25、27ないし31、36、38、50、54ないし58、70、73、84、85、87ないし92

判示第一の事実について 4、19、32、46

判示第二の事実について 6ないし8、12ないし18、23、33、34、37、47、59ないし69、72、75、77、79、81ないし83、86

(法令の適用)

一  被告人株式会社カクショウ

(1)  判示各所為 いずれも法人税法一六四条一項、一五九条一項、二項

(2)  併合罪の処理 刑法四五条前段、四八条二項

一  被告人正村正司

(1)  判示各所為 いずれも法人税法一五九条一項

(2)  刑種の選択 各所定刑中いずれも懲役刑を選択

(3)  併合罪の処理 刑法四五条前段、四七条本文、一〇条(犯情の重い判示第一の罪の刑に法定の加重)

(4)  刑の執行猶予 刑法二五条一項

よって、主文のとおり判決する。

(裁判官 山口博)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例